NO13  変化

詩人、工藤直子の『のはらうた』から作品を一つ紹介します。野原の動物・植物が主人公となって、彼らの作者名で詩が掲載されています。



      『めをさましたら』  こりす すみえ


めをさましたら

いつものあさと なんだかちがう

なんだろう?

なぜだろう?

いつもよりも しっぽのささが

ふかふかしているせいかしら

からだのしましまが

つやつやしているせいかしら

そして いつもより

だれかに あいたくなるせいかしら

わたしは そっと

そとをのぞいてみました

ああ いいにおい!

やわらかいかぜ やさしいそら

そうなんです

めをさましたら

はるでした!


 詩は、読んだ人の心に、そこに描かれた場面よりも、もっと広大な空間的・時間的な場面を思い起こさせてくれます。”こりす”が目を覚ましたのは大木の小さな洞でしょうが、詩を読んだあなたの頭の中に浮かぶのは自宅の自分の部屋だったり、教室であったり、あるいは街全体であったりします。また、春という季節があなたの頭の中では、新しい学年であったり、卒業後の将来であったり、これからの人生すべての時間であったりします。

 詩は心を自由にし、自由は心の変化を促します。三月は、皆さんにとって新しい学年や学校が始まる直前で、一年のうちで最も変化を予感させる月です。


 皆さん、あす目を覚ました時、いつもの朝となんだか違うという感覚が生じていないか確かめてみてください。もし明日生じなければ明後日、さらに明々後日と気をつけてみてください。変化の兆しは微妙です。でも、それに気づくとだんだん大きくなっていきます。一ヶ月もすれば、あなたの変化に身近な人も気づくようになるでしょう。そこまでいけば、もう変化ではなく成長です。


 同じ作者の詩を、もう一つ紹介します。



     『へんしんのゆめ』 けむし じんべい

あしたになれば ぼくだって

あしたになれば ぼくだって

うん きっと

あしたになれば ぼくだって!

心のベンチ

あるスクールカウンセラーが生徒・家族・職員に送ったメッセージ集です、悩みのある方、辛い方、カウンセラーの皆さんにも参考にして頂けたら幸いです

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