NO15  あなたは誰かの勇気です! 心のケアの勧め〜

 思いがけない自然災害や事件・事故に出合うと、誰でも心身に様々な症状が現れます。 例えば、アフリカの草原で突然草かげからライオンが飛び出してきたら、心臓はドキドキし、手は震え、呼吸は早くなり「怖い」と感じます。これら身体に生じた変化は、この危機 の場面に対して「闘争」するか「逃走」するか(どちらもトウソウ)を選択し実行するために 交感神経が興奮して生じるものです。機敏に行動できるように血行や酸素供給を増やし筋 力強化に備えているのです。危機が去れば身体的な興奮は治まります。

 一方「怖い」という感情の方は、脳が持つ記憶という機能のために恐怖感はすぐには去りま せん。思い出すと再び恐怖を感じてしまいます。しかし体験を記憶しておくことは、これから を安全に生きてゆくために欠かせないものです。記憶は全ての生き物がよりよく生きて行 くために備わったものですから。

 問題は「怖い」などという不快な感情がいつまでも続くこと、というよりも、続くのでは ないかと思ってしまうことです。その時には、次のようなことを知っていると役に立ちます。 一つは、記憶は自然に薄れていくというメカニズムが脳には準備されているということです。

 皆さん試験勉強で一生懸命に憶えてもすぐに忘れてしまうことを、経験済みでしょう。 痛みの記憶も、その時は我慢できないほど痛くても、数分でその痛みは薄れて行きます。 また肩や腰の痛みという慢性的な痛みも治療や自然治癒でなくなると、以前どこがどのよ うに痛かったのかということも忘れてしまいます。「時間が一番の薬」という諺もこのような ことを言っているのです。

 もう一つは、親しい人や何でも話せる人を身近に見つけておくということです。親、家族、 友人、先生等です。いざというとき、このような人はきっと親身になって話を聴いてくれ るでしょう。他の人が自分のことのように心配してくれることで、他者への安心感や信頼 感が生まれます。それにより不安、怒り、無力感、自己嫌悪の感情は薄れ、自分に対する 信頼感、自信を回復してゆくことができます。「話す」は嫌な記憶を「離す・放す」に通じます。 幼い頃、転んで痛くて泣いていた時に、母親から「イタイのイタイの飛んで行け」と言わ れると不思議に痛くなくなったことがあったでしょう。本当はもう痛くなかったけど、安心できる人から言って欲しかっただけかもしれません。信頼できる人からの言葉は勇気を 与えてくれるものなのです。



                                       何でも話せる友達

心のベンチ

あるスクールカウンセラーが生徒・家族・職員に送ったメッセージ集です、悩みのある方、辛い方、カウンセラーの皆さんにも参考にして頂けたら幸いです

0コメント

  • 1000 / 1000