(2016年)4月16日の未明に起きた、別府市での震度6弱の地震は私がこれまでに経験した中では最大のものでした。一瞬、家の倒壊も覚悟しましたが、幸い揺れの時間が短かったので大丈夫でした。心臓の鼓動の高まりが収まった後に何故か「地震雷火事親父」という古くからのことわざが頭に浮かんできました。そして「地震」が怖さの順番で一番先に置かれていることに納得がいくと共に、恐怖感が少し薄らいできました。そして、ことわざを思い出したことで、何故恐ろしさが薄らいできたのかについて考えてみました。すると、人が衝撃的な出来事に出合った時、心の平安を早く回復するための一つのヒントがここにあることに気付きました。
このことわざは、これまでに地震の怖さを経験した無数の先人たちがいたことに気付かせてくれました。この怖さは自分だけではない、
これまでも地震を経験した無数の人たちがいたこと、それと同じことを自分も
経験しただけだという思いが生じました。この昔の人々、祖先の人たちへの連帯感のようなものを持つことができたのです。連帯感が私を不安から抜け出させてくれました。
地震に限らずショッキングな出来事に出くわすと、また同じことが起きるのではないかという恐れや不安の感情が生じます。この恐れや不安の感情は、また同じような出来事に備えるために必要で当然な感情です。しかしそれをあまり強く持ちすぎたり、長く持ちすぎたりすると、日常生活に支障をきたすようになり自分が困ります。その時は、この感情から抜け出すことが必要になります。私はことわざを思い出したことで、個人の体験を大勢の人たちの感情と共感することができて抜け出すことができたのです。
抜け出るためには、まず自分が今そのような状態にあることに気付くことが大切です。
5,6歳までの頃は自分の感情に気付かないために、イライラしたり周りに当たったり、お腹が痛くなったりしますが、中学生になればもう自分で分かります。不安に気付いたら、身近な人と体験を話し合うこともよいことです。さらに、好きなこと・楽しいことを考えたりやってみたりすることも大変効果があります。自然の素晴らしさに目をやることも大いに結構です。
もし不安や恐れの気持ちが1カ月以上続く、眠れない、食欲が出ない等心配な時は、一人で我慢せずに身近な大人の人(親、先生、親戚など)にお話しして下さい。
身近な経験者は有難いものです。
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