NO22  今、できること(声掛け)

 2011年3月11日の東日本大震災から2,3日後の夜のことでした。たまたま聴いていた中国からの日本語放送で「日本の皆様、震災に負けないで頑張ってください」というアナウンサーの声が聞こえてきました。中国からの日本の人々への励ましに、思わず胸がジーンときました。何かにつけ、これまで非難や敵対的な態度を示されていた相手から(こちらの思い込み? )、突然温かい言葉をかけられたためにうれしかったからでしょう。

 この時、日常の人間関係でも同じことが言えるなぁー、という思いが浮かびました。日頃無視されたり冷たくされたりしている人から、温かい声掛けを受けた時のうれしさは、このようなものだろうと実感できました。

 東北の被災者の方々に、今、充分なことができない自分に対して、何か忸怩たる感情を持っている人も多いでしょう。私もその一人です。募金に協力した人も多いでしょうが、でもそれだけでもういいのかと自問してみると、自信はありません。なにしろ東北はあまりにも遠くに在り、亡くなった方、行方不明の方そして避難生活をされている人々はあまりにも多く、こちらの気持ちが伝わったという実感を持つことが難しいからです。

 とすれば、あなたの身近に困っている人、話し相手を求めている人、反目しあっている人のことを思い出してみませんか。もしそのような人に気づいたら、あなたから声をかけてみてはどうでしょうか。まずは「お早う!」という挨拶から、そして学校生活についての感想や趣味のことなど話してみませんか?きっと、温かい雰囲気が二人の間に、またクラスに漂ってくると思います。そうなることを東北の方々もよろこんでくれると思います。

 遠くの人を気遣う優しさがあるあなたなら、きっと身近な人にもできるはずです。チャンスは何時でもありますから。

心のベンチ

あるスクールカウンセラーが生徒・家族・職員に送ったメッセージ集です、悩みのある方、辛い方、カウンセラーの皆さんにも参考にして頂けたら幸いです

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