NO28  今の気持ちに気づく

 私は、学生時代、夏休みが終わりに近づくと切ない、寂しい気分になったものでした。でも、いざ学校が始まると、級友と話したり授業や行事に取りくんだりしている内に不思議とその気分は消えてしまっていたものです。この感覚は、学校を経験したほとんどの大人が感じてきたものではないでしょうか。


 ところで、日常生活で何となく嫌な気持が続くときはどうしたらよいのでしょうか?

 まず、自分の今の気持ちに気づくことが大切です。それが、どんなに嫌な気持であっても「あゝ、自分は今、こんな気持ちでいるのだな」と気づくことから対策は始まります。嫌な気持であっても、それはあなたの心と体を守るためにあなた自身が発しているサインなのですから、気づいてあげなければいけません。身体がインフルエンザにかかると熱、咳というサインが出ることでそれに気づき、これ以上無理をせずに休息をとることができます。同じ様に心も、「悲しい、寂しい、苦しい、絶望感」というサインを出して、心にこれ以上負担がかからないようにする防衛の機能を持っているのです。

 山登りで道に迷った場合のことを考えてみましょう。一番悪いのは、道に迷っていることに気づかずにそのまま歩き続けることです。まず迷っていることに気づくことが大切です。次に自分がどういう状況にあるかを知るために、地図や磁針を使って自分の位置を確かめます。そして来た道(跡)をそのまま引き返します。すると途中どこで間違っていたかが分かり、正しい道にもどることができます。


 このように、今の気持ちに気づくことがまず大切です。次に、どこから今の嫌な気持が起きてきたのかと振り返ってみましょう。そこには必ず対人関係があるはずです。それも身近な人との間の出来事があるはずです。「あいさつしたのに返事がなかった」「嫌なことを言われた」「自分だけ無視された」「頑張っているのに、誰も認めてくれない」等々。これら、自分へのマイナス的な見方は、事実を確かめてみると自分の一方的な思い込みであることも多いものです。だから、自分で勇気を持って確かめてみることが手っ取り早い方法です。結果はどうであれ、行動を起こしたということは自信につながるはずです。

 でも、それができなくてもよい方法があります。それは、自分の気持ちを他人に話す(聴いてもらう)ことです。話している内に自分自身の気持ちの整理がつき、対処法が思い浮かんできます。気持ちは必ず楽になります。

 教育相談室には、話をするためのあなたのための空間と時間が確保されています。どんなことでもいいですから、遠慮なく気軽に相談室を尋ねて下さい。


         ガンバレ、お父さん!

心のベンチ

あるスクールカウンセラーが生徒・家族・職員に送ったメッセージ集です、悩みのある方、辛い方、カウンセラーの皆さんにも参考にして頂けたら幸いです

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