雪に
海にふる雪は、 海になる。
街にふる雪は、 泥になる。
山にふる雪は、 雪でいる。
空にまだいる雪、
どォれがお好き。
金子 みすゝ゛
私が高校生であった頃「自分とはいったい何者なのだろう。他者と比べてどんな特徴があるのだろう。何が得意で何が不得意なのだろう」等、そんなことは考えてなかったような気がします。だんだん分かってきたのは、人生の中でいろいろ選択をせまられて自分で決めざるを得ない場面に直面するようになってからだと思います。学校選び、コース選び、職業選び、友達選び、恋人選び、伴侶選び、好きなこと選び等々、その時自分が何を選んできたかで、自分が何者であるかがだんだん分かってきたような気がします。
1,2年生の皆さんにとっては、今、新学期からのコース選択が大きな関心事になっていることでしょう。大学、短大、専門学校、就職のどれを選ぶか、国公立か私立か等、コースを決めるに当たって考えておくべきことはたくさんあります。
その際、是非皆さんに考えていてほしいことがあります。それは、自分の主体性において選んでほしいということです。他人に任せたり、押し切られたり、釣られたりすることなく自分で決めてほしいということです。コースを選ぶ、進路を決める、ということは多くの可能性の中から自分を選ぶことであり、将来の自分を造ることになります。それを自分で決めることが成長につながるのです。
アメリカの心理学者エリクソンは、青年期における成長にとって最も大切な課題は、「アイデンティティ(自分とは何者か)を確立すること」と言っています。そしてそれを早く確立したものほど、その後の大人としての成長が順調に捗ると言っています。コースを選ぶということは、自分を選び、自分が何者かをはっきりしていく作業の出発です。よく考えましょう。
「空にまだいる雪のあなた、 どォれがお好き?」
人生の分かれ道
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