谷川俊太郎の詩『春に』の出だしの一節です。合唱曲として中学校の卒業式で最も歌われる曲の一つですから歌ったり聴いたりしたしたことがある人は多いでしょう。少年の思春期の微妙に揺れる心を表現した詩です。
さて、新型コロナの中の私たちには「この息苦しさはなんだろう」と問いたくなるような日々が続いています。先日、私も次のような経験をしました。
県南に用事があって、家からバス停に行く途中でマスクを忘れたことに気付いたのですが引き返す時間がありません。駅のコンビニで買えばよいとそのままバスに乗りましたが、この様なときに限ってマスクは売り切れで、結局バスと電車合わせて1時間半ほどをマスクなしで過ごしました。この間、周りの人は私を見てどう思っているのだろうかと気になって仕方がありませんでした。たまにマスクをしてない人を見つけるとホッとして親近感を覚えてしまいました。
私には周囲の人の思いは皆と同じでないことを非難するかのように、異分子を排除するかのように思えました。マスクをしているときも、周りのマスク姿には異様さを感じます。1年前までは電車に乗っても街を歩いても感じたことのなかったのに、あの頃の心の平穏さはどこに行ったのだろうかと懐かしく思ってしまいます。
春
0コメント